2階 現存する動物たち
和 名 |
英 名 |
学 名 |
ベンガルトラ |
Bengal tiger |
Panthera tigris tigris |
トラ属は現存するネコ科最大の体躯を誇り、なかでも亜種の一つであるシベリアタイガーは最大で体重350kgを超える。かつてはユーラシア大陸を中心に広い地域に生息したが、生息域の分断などが大きな理由で、今世紀までに3つの亜種が姿を消してしまった。現在も、毛皮目的や人間の生息域を脅かす害獣として、不法な猟が行われている。
そんな中、ここインド北東部のガジランガ国立公園では、比較的多くのトラ(ベンガルトラ)が生き延びている。ここはヒマラヤ山脈の麓に広がる、背丈の高い草原で、トラ、サイ、スイギュウなどの最後の楽園だ。
トラのよく知られたその模様は、茂みの中でカモフラージュとなり、そっと獲物に近づくことが出来る。シカ類や、時にはインドサイの子供を、強力な前足と顎の力で仕留めるのが彼らの流儀だ。
私たちの前に姿を見せたこの個体も、音を立てずに獲物を追っていた。
国際自然保護連合レッドデータブックの絶滅危惧種に指定され、ワシントン条約で付属書1に記載されている。
主な参考文献
■ D.W.マクドナルド編 1986『動物大百科 第1巻』平凡社
■ 増井光子編 1992 週刊朝日百科『動物たちの地球49』 朝日新聞社
■ ナショナルジオグラフィック日本語版 2010年8月号「大草原に残る野生の王国」
■ ナショナルジオグラフィック日本語版 2011年12月号「消え行く王者 絶滅の危機にあるトラを救えるか」