2階 現存する動物たち

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アマゾンカワイルカ Amazon river dolphin Inia geoffrensis

アマゾンカワイルカ

 南米大陸の北部に広がるアマゾン川水系。その延長6,500km以上、流域面積は700万km2に達する。
 私達が訪れたのは雨季で、20m以上も上昇した水位が、数十万km2の熱帯雨林を飲み込んで開いた。アマゾン川本流の水は茶褐色に濁り、4mにも達するピラルクや、淡水化したサメやエイを含む2,000種類以上の魚類が潜んでいる。
 すぐ側の川底にも、体長1m近いナマズの仲間、レッドテールキャットが佇んでいた。そして、水没した木々の間から、ピンク色の生物が現れる。
 アマゾン水系には2種のイルカが棲息する。マイルカ科のコビトイルカと、一属で一科(アマゾンカワイルカ科)を形成するアマゾンカワイルカである。
 体長約2.5mのアマゾンカワイルカは、原始的なクジラ類の特徴を残す。細長い口には25から35対の円錐形の歯があり、前方の鋭く尖った歯は魚などの捕捉に、奥の平坦な歯はカニやカメなどを砕いて食すのに適している。また他の多くのイルカとは異なり、頚椎の骨が互いに固定されず頭部を広範囲に動かすことが出来る。その体色から、ピンクイルカの愛称もある。
 通常は大きな群れをつくらない。目の前に現れた母子も、2頭で楽しそうに泳ぎ去っていった
 国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで絶滅危惧II類(Vulnerable, VU) に分類されている。

主な参考文献
■ M.W.マクドナルド編 1986『動物大百科 第2巻』平凡社
■ 水口博也 1988 『クジラ・イルカ大百科』 TBSブリタニカ
■ 大隅清治編 1992 週刊朝日百科『動物たちの地球52』 朝日新聞社

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