2階 現存する動物たち
和 名 |
英 名 |
学 名 |
アフリカゾウ |
African elephant |
Loxodonta afurican |
かつては300種以上の仲間が存在したゾウの仲間(長鼻目)も、現存するのは3種のみである。
アフリカ東部のキリマンジャロ山の麓には広大な草原が広がる。現生陸上動物では最大の体躯を誇るアフリカゾウ。成長した雄では体長7m、体重6tにも達する。写真の子ゾウは今年生まれたばかりで、隣にいるのはこの子の母親。群れでも一二を争う巨体であると同時に、既に40歳を超えた経験豊かな群れのリーダーでもある。
彼らは母系の群れをつくり、雌は一生そこに留まる。育児は群れ全体で行い、大人のゾウたちは常に子供を守り大切に育てる。また弱った仲間を支えて歩くことや、死んだ仲間の側をいつまでも離れないこと、さらにはその骨を持ち歩くことも観察されている。仲間を思う気持ちは、人間以上かも知れない。
また、人間には聞こえない低周波を含む「言葉」で会話をしていることも知られている。
人間によるゾウ類の利用(肉、骨、牙など)は新しい話しではないが、その保護が叫ばれる現在でも、象牙目当ての密猟や生態系の破壊がすすみ、なお絶滅の危機にある。
国際自然保護連合レッドデータブックの絶滅危惧種に指定され、ワシントン条約で付属書1に記載されている。
主な参考文献
■ NHK取材班編 1990『NHK地球ファミリー生きもの大紀行第3巻』日本放送出版協会
■ 増井光子編 1992 週刊朝日百科『動物たちの地球53』 朝日新聞社
■ ロベール・ドロール 1993 知の再発見双書26『象の物語』創元社
■ 今泉忠明・小宮輝之監修 2002 学研の大図鑑『世界絶滅危機動物』 学習研究社