1階 絶滅した動物たち
和 名 |
英 名 |
学 名 |
エステメノスクス |
Estemmenosuchus |
Estemmenosuchus mirabilis |
古生代ペルム紀後期。この時代全ての大陸は陸続きになり、超大陸パンゲアを形成していた。さらに大陸全体が北上し、赤道付近では雨期と乾期の違いも生じ始めている。
エステメノスクス・ミラビリスは、所謂「哺乳類型爬虫類」に含まれるディノケファルス類でも原始的なものとされる。彼らは全長3m弱とさして大型の動物ではないが、頭部の奇妙極まりない装飾と、上あごの巨大な牙は見るものを圧倒せずにいられない。
現在のロシア・ウラル地方にあたるこの辺りには、広大なデルタが広がり、やや開けた水場にはエステメノスクスが集まってくる。彼らはその恐ろしい外見に似合わず、普段は水際の植物を食し、牙や装飾は仲間同士の威嚇行為や性的アピールの意味があったらしい。
完全な恒温性を備えていない彼らには、なんと言っても日光浴が欠かせない。快晴のこの日、食事場所を探しながら這回る彼らの姿が、数多く見られそうである。