私たち四足動物の祖先は何か、実は正確には分かっていない。我々はその調査のため、デボン紀の中頃(約4億年前)にやって来た。この時代、造山運動の影響による気候変動で降水域が生じ、大陸を流れる長大な河川が出現する。その河川にそって、巨大なシダやソテツの仲間が生い茂り、果てしない湿地帯が続いている。 月の明るい夜に現れたのは、ディプノリンクスである。体調は1m弱。古い肺魚の仲間で、現代の肺魚にはない第一、第二背鰭が残る。 これら肺魚もシーラカンス類同様に、肉質の鰭を持つ肉鰭類であり、四足動物の共通祖先有力候補の一つである。 特にこの種は、残された化石からも頭骨が両生類に近いとされ、その祖先の候補ともなっている。今はまだ浅瀬を這うくらいの機能しかない四つの鰭が、遠い将来、陸上を闊歩する足に変わっていくのかも知れない。