第四紀、洪積世末期。繰り返し訪れた何度目かの氷期が終わろうとしているころ、額に2本の角を持ち、全身褐色の毛におおわれたケサイが、地吹雪の中に現れた。彼らはヨーロッパからユーラシア大陸の東にまで分布したが、サイやウマの仲間である奇蹄目はすでに衰退の道を歩んでいた。クロマニヨン人の描いた壁画にも彼らの姿が残されており、人類の足音は確実に近づいていた。