1階 絶滅した動物たち

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カリコテリウム chalicotherium Chalicotherium sp.

カリコテリウム

 およそ2000万年前、現在の東ヨーロッパ地域。肩の高さが2mもある奇妙な動物が、乾燥化の進む森林地帯を徘徊している。彼らの前脚は後脚よりもはるかに長く、大きく湾曲した勾爪のある指の外側を地面につける”ナックルウォーク”を行っている。ちょうど現在のゴリラのようだ。
 分類学的には、ウマやサイと同じ奇蹄目に含まれ、主食は柔らかな木葉。その長い前脚と勾爪は、高い所にある枝を手繰り寄せ、好物の新芽を口元に運ぶのに適していたようだ。
 しかし、寒冷化と乾燥化で次第に草原が広がる中、彼らは進化の袋小路に迷い込んでしまう。他の草食哺乳類との生存競争に敗れ、やがて姿を消していく。カリコテリウムを含むカリコテリウム上科は、およそ180万年前には絶滅してしまったようだ。もし彼らの仲間が現代まで生き残っていたら、きっと子どもたちの人気者になれただろうが…。
 そんな未来を知るよしもなく、彼らは自慢の前肢を高く伸ばしている。

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