私の年代で「恐竜」と言えば、やはり国立科学博物館の玄関ホールに飾られていた、タルボサウルスの美しい全身骨格でした。足しげく通った同館の、最も好きだった展示のひとつです。あれが取り払われた時は、寂しい感じを抱いたものです。 さて今回は、ティラノサウルス類でも羽毛の痕跡のあった種がいたことを積極的に捉え、全長10mに近いタルボサウルスついてほぼ全身に羽毛を生やしてみました。特に首の周辺をもさもさにしています。これは同族での喧嘩の際、噛み合っても致命傷を与えにくいという思い付きです。顔はシワシワの皮膚、脚は現生鳥類と同じウロコ、恥骨の先は、おすわり姿勢の際、体重を支えると想定し、パッド状の皮膚としてみました(写真ではわかりませんね)。 いつもの通り、ファンドで作製、アクリル絵具の筆塗りによる塗装ですが、下地を黒くしたせいもあってか、全体の黄色がくすみ気味。反省点です。尚、黒い皮膚の顔は少し寂しいので、妻の進言によりピンク色の斑点をアクセントとして入れてみました。 足下にいる鎧竜は、当初同じモンゴル産のサイカニアとして製作していましたが、同じ白亜紀後期でも時期が違うこと、さらにはそのサイカニアの標本自体もいくつかの種が混ざっている可能性等が浮上し、ここでは「アンキロサウルス類の恐竜」という程度としています。 100%満足とはいきませんが、自分の中では一定の答えが出せたと思っています。(2014.03.20 記)