こちらも「第3回・古生物立体復元模型大会 」 絶滅魚類大会<デボン紀限定>のための作品。 「四足動物の祖先は肺魚である」という考えもありますが、その中でも頭骨の形態から両生類に近いのではないかとも言われる属です。 ただ頭骨や下顎についての写真や文献は入手できましたが、その他の部位については、他の化石種の肺魚から、全長やプロポーションを割り出しています。 全体的に、現生の肺魚のなかでも特に原始的とされるオーストラリアのネオケラトドゥスを意識しています。それでもいくつかの点で古さをアピール。まず頭骨にある特徴的な溝は、外見上にも影響を及ぼしていると判断。また、現生の肺魚では消失している第一、第二背鰭ですが、古い種ほど明確とのこと。そこで尾鰭方向に移行しつつも、その存在をはっきりさせています。さらに鱗についても、新しい肺魚ほど重なりの大きい丸いもののようですが、進化の順番に当てはめると、どうもまだその段階にない、あまり重ならない菱形の鱗だと思われます。ここは少しオーバーなくらいに彫り込みました。 また、広義の肉鰭類ではありますが、平気で陸上を歩いたとは思っていませんので、陸地が点在する浅瀬を、ゆっくりと徘徊している場面を想定しています。その「水」を透明樹脂などで再現出来れば良かったのですが、今回は断念。後方の透明塩ビ板で視覚効果を狙ってみましたが、どうも完成度低いですね。 地面、水底、木製シダの幹はファンド。その上に鉄道模型などで使うストラクチャー用のスポンジと、紙紐でつくったシダ、真鍮線に瞬間接着剤で節を付けたトクサを植えてみました。 模型としてのディスプレイについては、ご覧のとおり、すごく間延びした感じですね。実は当初、同じ魚を2匹作って配置するつもりだったので、こんなことに。いつかもう1匹…。