地下2階 製作工房


《2005年「アフリカゾウのこども」を例に》

1 今回の対象はアフリカゾウの子供。親も作る予定ですが、まずは子供のみで。実はここ一年程「ファンド」とうい石工粘土のみを素材にしていますが、ここで使用するのは「Mr.クレイ」という製品。なぜ使い慣れた「ファンド」ではないのか?それは、近所でたまたまこの粘土が売っていたからです。さらにスケッチも針金の骨組みもなし。比較的小さなものをひねり出す場合はたいがいこんなもんです。またスケールも意識せず、なんとなく作りやすい大きさで作ります。
 初日はこんな感じ。シベリアでみつかった子供の冷凍マンモスではありません。
2 集めた資料はスキャナーで読み込み、コンピューターで表示させます。ここ数年この方法を用いていますが、作業能率はすごぶるあがります。おすすめです。ちなみにこれに使用しているのは初代iMac!未だ現役。
3 二日目。なんとなく形になってきました。よく「すごく集中力が要りそうですね」などと言われますが、実際はテレビを付けたり、音楽を流したり、妻と話しをしたりしながら作業しています。そんなペースが自分にはちょうどいいのです。
 写真をよく見て、頭の中で組み立てて、粘土を盛っては削り、削っては盛りしていきます。多くの方はスケッチを繰り返したり、図面を描いたりしてこの作業を終えますが、私の場合は立体にしてみないと理解できないようで、時間がかかってもこれを繰り返します。
4 さて、足の運び方を直し、一応ゾウになったはずですが、何かがおかしい、、、。
5 考えたあげく、子ゾウにしては胴が長すぎると判断。さっそく小型ノコギリで切断開始。別にいじめてるわけではありません。
6 切断完了。はやく戻してあげないと、化けて出そうです。
 と、こんな感じで、私の場合は非常に無駄が多いのです。皆さんはきちんとデッサンしてから作ることをおすすめします。
7 少し(かなり)時間が経過していますが、まっぷたつにされた子ゾウくん、ようやく一つになりました。ほぼシルエットは出来た感じです。ちなみによーくご覧いただくと、背景が変わっておりますが、この辺りの事情は「地下1階・館長室」をご覧下さい。
 さて、いよいよ細かなディテールを入れていくのですが、その前に妻の厳しいチェックを受けることとなります。ここが最大の関門。
8 珍しく妻のチェックもあっさり通過し、間もなく完成という時にトラブル発生!無惨子ゾウ君は我が愛犬ナヌークの餌食に。うわおーん!!!!まだ生後4ヶ月とはいえ、「いけない」としていたものをおもちゃにした犬を叱るべきか?机の上に無防備に置いていた自分を責めるべきか?いや、今更誰を恨んでも仕方ありません。なんとか修復していくしかないでしょう。にしても、痛そう、、、
9 引っ越しにも犬の妨害にも負けず、ついにここまで来ました。本当は子ゾウの皮膚のシワはそれほどでもないようですが、模型的見栄えも考慮して、少しオーバーに表現しました。どうせ塗装で消えるでしょうし。ほとんどのシワは粘土の乾燥後(場所によっては表面を濡らしながら)先の尖った金属の工具(ドライバーセットに入ってる先の尖ったもの。ニードル?)で入れています 。
 尚、尻尾の向きは妻の意見を取り入れ、少し上向きに。たまにはいいこと言うじゃないか。
10 さあ、塗装の開始です。いつもの様にアクリル絵の具の筆塗りです。まずはかなり暗い色で全体を均一に塗ります。多少の筆ムラは気にしません。この上に少しづつ明るい色を載せていくのです。
11 筆に塗料を含ませて、こするように明るい色を乗せていきます。今回はおよそ4回程度色を変え、すこしづつ明るくしてみました。ただ最初の色があまりに暗く、シワがかえって不自然に見えてしまったので、水で思い切り薄めたやや明るいグレーを全体に流し込んでいます。
12 最後に目を黒く塗りニスで光沢を出し完成です!ふぅ、長い道のりでした。こうして眺めると「胴体と頭部をもっとくっつけてよかったかな」などと反省点も浮かびますが、一応よしとしましょう(自己満足)。
 尚、今回の子ゾウ君、鼻先から尻尾の先まで約10cmとなっています。そして、一緒に写っている針金さんは、次に作る予定のお母さんゾウの骨組みです。しかしこの大きさ。いつ完成するのやら、、、。
13 今回使った材料と道具の全てです。どこにでも売ってるものばかりですから、ぜひ皆さんもいかがでしょう?
 あ、それから、粘土に水分が必要な時には、小さな霧吹きを使っています。写真に入れ忘れました、霧吹きくん、ごめん。おや、絵の具のパレットも抜けてますね。パレットさん、すみません。

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